獣身をなす

幼稚舎の受験が残念で、今度は中学受験で慶應を狙おう、と思っておられるご家庭もあろうかと思います。

やはり失敗すると、今度は成功したい、だから、早くから塾を始めたり、勉強を進めているかもしれないが、あまり早くから気合をいれない方が良いと私は思います。

なにせまだ6年間ある。そんなに、早くから気合を入れて、やれ成績だ、偏差値だと気にしていたら、親も子どもも持ちません。中学受験は4年生から始めれば十分間に合います。だから、むしろ、この6年間の小学生生活でどういう子に育てるか、ということをしっかり考えた方が良いと思います。

福澤諭吉は

まず獣身をなして後人心を養え

と言っていました。これが幼稚舎の考えでもありますが、獣身をなす、とは健康な体をつくるということです。「おなかがすいたら元気よく食べる」「一生懸命走る」そういうことがまずできなければ、人として活躍できない。だからまず獣身を養わないといけないのであって、それは幼稚舎に行かずとも同じことです。

小学校に入ればスポーツがやれる。体を鍛えるチャンスはいくらでもあります。またお子さんと旅行に行ったり、同じ趣味を楽しんだりすることもできる。

まずは「健康に、元気に育っている」ということを考えないといけない。

私は、長男の幼稚舎受験を断念した後、剣道とサッカーに時間を費やしました。剣道は、完全に親の志向。子どもはサッカーがしたかったのですが、「サッカーもやっていいが、剣道もやろう」とこれはやらせました。

先日、長男と話したところでいえば、

「まあ、剣道はね、性に合わなかったんだ。でもね、型は好きだったよ。」

と言ってました。

型というのは、剣を振る動作を美しく、きっちりやるということで、本人に言わせると

「非常にきれいなもの」

だったそうです。だから続けたのだといっていました。小学生はずっと小さかったですが、その先もサッカー、テニスと運動が続いたので、今は背も伸びて、体もしっかりしました。

まず、ここが大事なのです。

塾は4年生から探せば十分。あわてて九九を覚えさせる必要もありません。やるときにやればいい。それよりもまず「獣身をなす」ことに力を入れられると良いと思います。

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